2013年7月2日火曜日

ホントウノキモチ

今日もまたまた感動物語がありました。

本日から利用のAさん。

内部疾患で入院されていて、かなりの廃用性の機能低下がある方です。

担当者会議で相談員が、今週末にAさんの息子の結婚式があるけど、Aさんは結婚式に参加されないと決めている、ということを聞いてきてくれました。

僕は本当にAさんとじっくり話し合い、Aさんが出した答えなのか気になって仕方がなかったので、個別リハビリテーションの時間に聴いてみました。

「行かなくて本当に後悔しませんか?」と。

その結果、

Aさんは途中で倒れたら息子に迷惑がかかると思っていること。

結婚式という祝いの場に救急車を呼ばないと行けない事態になったときが怖いと思っていること。

体力が持つかどうか心配だということ。

式場までの階段が上がれるかどうか心配だということ。

本当は・・・本当は行きたいと想っていること。

Aさんが本当に想っている気持ちがわかりました。

息子さんに気遣って行かないという選択をしてたんですね。

僕は、行こうと思えばいくらでも手段はあることをお伝えしました。

例えば、僕の経験上、きつくなったら休める場所を確保してもらうように式場にお願い出来ることや階段昇降の介助を式場のスタッフにお願い出来ること等です。

その後、僕たちはAさんが行きたいと思うのであれば全力で支援しますと約束しました。

Aさんは「考えてみる」と話され、個別リハビリテーションを終えました。

昼ご飯を食べた後、Aさんはスタッフに「息子の結婚式に行きたい」と話しました。

スタッフは嬉しそうに僕へ報告してくれました。

そして、「今から会場の下見にAさんと行ってくる!」と言ってきました。

僕は嬉しさと同時にスタッフの行動力に驚き、「息子さんに確認してからにしよう」と提案しました。

僕はいつも「ちょっと待て!」と止められる側だったので、止める側になるのは何だか不思議な感覚でした(笑)

その後、スタッフはAさんと共に、娘さん、息子さん、式場に電話で確認し下見に向かいました。

Aさんとスタッフは会場の下見だけでなく、式場スタッフとの打ち合わせや衣装選びまでしっかりして帰ってきました。Aさんは何着も試着されたそうです(笑)

Aさんは「最高」と喜んでくれました。

あとはAさんが家族と共に息子さんの結婚式を堪能するだけです。



ちなみに、うちのスタッフが、結婚式場のスタッフに「デイサービスってこんなことまでするの?」と聞かれて、「利用者さん全員の夢を叶えます!」と返答したそうです(笑)

このスタッフの行動力、それを応援し、臨機応変に残った利用者さんひとりひとりの作業を支援した他のスタッフ、全てが一つになったからこそできた支援でした。

最高のスタッフと働けていることに感謝します。

2013年6月28日金曜日

つむぐトイレ

お久しぶりでございます。

なんだかんだでブログを更新できていませんでした(^^;)

忙しい日々を送らせていただけるのは本当にありがたいことです。

バタバタした毎日ですが、デイサービスを立ち上げてから本当に毎日感動することばかりです。

教育も楽しいですが、臨床もやっぱり楽しいです(^^)

さて、そんなたくさんの感動体験からお一人を紹介します。

Aさんは約4年前に発症し、重度の障がいをおもちで、生活全般に介護が必要な状態です。

リクライニング車椅子を使用し、過ごされています。

初めて当デイサービスを利用されたときADOCを使い面接しました(うちは全員にADOCを使用し、面接をしています)。

Aさんは色々なことに興味があり、たくさんのイラストを選ばれました。過去にやっていたスポーツや趣味など、楽しそうに話されました。

ただ、その中で強く強く望んだのは、主介護者の娘さんの為に、立ち上がりや移乗、トイレで排泄をすること(発症後はオムツ使用)でした。これに関して家族も強く望んでいました。

ただ、Aさんも家族もトイレに関していつかできたらいいな・・・くらいの超長期目標だと話し、半ば諦めているようでした。

僕は移乗等の介助を行った感覚と、今までストレッチ等の機能訓練しか受けていないという話を聞いたことから、Aさんの機能はもっと高まると感じていましたので、可能だと思っていますとAさんそして家族に話しました。

それから約1ヶ月間、みっちり機能訓練を行いました。予想通り機能も向上してきました。

そして、先週Aさんに提案し、初めてトイレに座ってみました。

結果は大成功!!!

Aさんは「病気になってから初めてトイレで出来た」と大喜びでした。一緒に介助した介護福祉士も一緒に喜びました。

そして、帰宅するなりAさんは家族に報告。その場で家族とも喜びを分かち合いました。

今週からトイレで排泄出来るようにリハビリパンツへと変更しました。

今までトイレで出来なかった理由の1つは支援者側の諦めがあったからではないかと思います。

支援者側の諦めが、クライエントの作業の障壁となってはいけないと思うんです。

僕たちはクライエントの作業が可能となる為の支援をします。

だから僕たちは諦めません。僕たちが諦めるのは、クライエントがその作業を必要でないと感じた時です。

より多くの感動を、ご利用者、ご家族、スタッフ、地域住民と共有していきたいと思います。

2013年4月15日月曜日

2度目の卒業

本当に久しぶりの投稿です。

たくさん書きたいことはあるんですが、ついつい後回しにしてしまっています。

さて、本題に入ります。




3月末日をもって1年間という短い期間でしたが、本当に言葉にできないくらいお世話になった母校を退職しました。

1年間という期限付きにも関わらず、暖かく迎え入れてくださった母校、OT科教員の皆様に感謝してもし足りません。

本当に覚えの悪い僕を皆さんがフォローしてくださいました。(僕、びっくりするくらい本当に忘れるんです•••)


恩師が亡くなった後、少しでも恩師と母校に恩返しがしたいということもあって、教員にならせてくださいとお願いしました。


しかし、経験も知識もない僕がどうやって学校に、そして学生さんに貢献できるか悩みました。

僕に出来ること•••

考え抜いた末、出した答えは「作業療法の楽しさを伝える」ということでした。

これなら僕にも出来るし、自然体で臨めると思いました。OT大好きですから(笑)

ですので、担当させていただいた講義では、僕が作業療法の魅力だと思っている「トップダウン」と「OBP」を軸に話しました。

また、僕が作業療法をより好きになるきっかけをくれた「作業科学」「CMOP−E」「MOHO」といった理論の話をしていきました。

なんとか魅力を伝えたいと思って、事例をたくさん紹介しました。(自由に授業をさせていただきました。先生方本当にありがとうございます。)

内容はさておき•••学生さんの授業の感想を見る限り、「先生が楽しそうに授業をしていた」と書いてくれていた学生さんが多かったので、作業療法の楽しさは伝わったと解釈していい•••の•••でしょうか?

授業の内容は本当に足りないことばかりだったと反省していますが、臨床に出て作業療法をするのってこんなにも楽しいんだと思ってもらえていたら嬉しいです。

本当に素敵な教員、素敵な学生に囲まれて、毎日楽しく仕事ができました。もっとここで働きたいと心から思いました。感謝、感謝です。

自分の夢を叶えるタイミングを考えて、1年間だけという期限を設けさせていただいたことは、自分勝手で申し訳なく思っていますし、1年間で僕の目的だった恩返しが出来たかというと全く自信がありません。

これから先、いろんな形で恩返ししていきたいと思います。

入職する前より、もっと母校が好きになりました。もっともっと作業療法が好きになりました。


本当にありがとうございました。



2013年2月19日火曜日

理想の職場

大分、久しぶりの投稿となってしまいました。(さぼってしまってすいません)

世の中色々ありますね。本当に勉強になります。(胃が強い男になりたいです・・・)

なにはともあれ、予定よりは遅れてしまっていますが、夢に向かって進んでいます。

慎重に事を運びながら勉強しろということだろうなと全てをポジティブに捉えてます。


昨日、一緒に仕事をするメンバーと熱く語りながら食事をしました。

一緒に仕事をする相棒はケアマネをしてます。

彼は、利益重視の施設のやり方に1人で闘ってきました。

利用者さんのニーズよりも業務中心の現場と1人で闘ってきました。

現場からやっかいだと思われるあたり、同じ匂いがプンプンします(笑)

彼は「利用者さんあっての施設だ!」「簡単に利用者さんの要望に無理と言うのはおかしい!利用者さんの未来をこちら側の都合で決めるのはおかしい!利用者さんの要望に応えられない事もあるかもしれないけど、出来る可能性をとことん話し合った上でその選択をしなければいけない!」と話していました。

僕はお酒が全く飲めないんですけど、あまりにも彼と想いが、発する言葉が一緒だったので、酔ったように興奮して話し続けました(笑)

同じ想いを持った仲間と働けるって幸せですよね。

それにしても、職種は違えど、やはり目指しているところは一緒なんですよね。

クライエントがどのように生きたいか?それは、どのような作業をして生きたいかってことですもんね。

作業の視点は共有できるんです!

想いを共有した上で、クライエントの作業を可能化するために各専門職の専門性を発揮する。

僕の理想の職場です。

あとは「やるか、やらないか」ですね。いや!僕の場合「やるか、辞めるか」ですね!

僕たちは作業に焦点を当てた、クライエント中心のデイサービスをやります!

そして、大きいことを言ってしまいますが、僕らの実践が鳥取県、全国の実践を変化させられればと思います。

クライエントも働いているひともそれぞれの家族もハッピーになるのが僕らの目指すところです。(ADOCプロジェクト魂)

最近僕にとって大きな一歩を踏み出せました。まだまだ山はありますが、一歩ずつ登っていきます。

千里の道も一歩から!

また報告します。