2012年9月19日水曜日

第2回YMCA米子作業療法学術集会

9月16日、記念すべき第2回が行われました。


今年の特別講演は琉球OTさんでした。


琉球OTさんは僕に作業療法の核を教えてくれた1人です。


琉球OTさんと出逢っていなければ今の僕はありません。


クライエントにとことん介入するかOT辞めるかどっちかにしてと言われたあの言葉がなければ今の僕はいません(もちろん恐怖と驚きで震えましたが・・・・・)。


鳥取のOTにも、僕が教えてもらったように、作業療法の素晴らしさを伝えて欲しい。ずっと想ってました。


だから、本学術集会に変わる前、同期生で行っていた学会の時からずっと「いつか特別講演をしてください」とお願いをしていました。


1つの夢が叶った瞬間でした。本当に感無量でした。


特別講演の内容は、まさに圧巻でした。恥ずかしながら気付けば泣いていました。


琉球OTさんの話はリアルなんです。リアルだからこそ心に響く。


ずっと言われてました。「何をするかではなく、なぜするのか」何度聴いててもぐっときました。


 


お昼からは一般演題を行いました。全部で5演題でした。


1、 作業に焦点をあてることの大切さを学んだ事例

MOHOの理論を用いて介入した事例でした。クライエントが大切にしている園芸という作業に取り組むことで、それまで機能回復にしか目がいかなかったクライエントが、生活の中にある様々な作業に気付くようになり作業を拡げていった事例でした。


2、意味のある作業をする権利を獲得することで主体的な取り組みがみられた事例

作業科学の知識を用い、介入した事例でした。クライエントにとって意味のある作業が行えず、スタッフから提供される活動のみを行っている、いわゆる作業疎外の状態にある方に対して、作業ニーズを引き出して介入したことによって、未来の生活に向けて主体的に作業に取り組むようになった事例でした。


3、次世代型ショッピングカートによる新たなリハビリテーションの展開

整形疾患を抱えたクライエントが、買い物を諦めず取り組めるようにショッピングカートを自分で製作したという発表でした。このショッピングカートを製作する為に自分で開業したという行動力がすさまじい方でした。作業療法士が希求する社会は作業的公正な社会だという言葉が浮かんできた発表でした。


4、作業の目的と目標の共有~ADOC使用経験から~

我らがADOCを用いることで、チームアプローチを円滑に行うことができた事例でした。クライエントの作業を可能化するためは、チームで協働する必要がありますが、多くの方がこのチームで協働するというところに難しさを感じていると思います。僕の経験上、多くは手段のみの話し合いが前面に出ることによって他職種との専門性の違いといったところで上手くいかないケースが多いと思います。しかし、本事例はADOCを用い、目的と目標を明確にすることによって、チームが同じ目標に向かって専門性を出し合い取り組めていました。手段ではなく、目的と目標を共有することがチームアプローチには必要だとあらためて感じました。その目的と目標をクライエントから引き出し、他職種に可視化するのにADOCは有用なツールであることを再確認しました。また、旅行に行くために、バスの乗り降りを練習する際、バス会社からバスを1台借りてしまうという圧倒的な臨床力を見せてくれました。それを行った発表者とそれを提案した上司の行動力にしびれました。
余談ですが、本事例の発表者はYMCA卒業生でもなければ鳥取県で働いているわけでもありません。それなのに発表してくれた心意気と愛に感謝します。


5、カナダ作業遂行プロセスモデル(OPPM)の実践

OPPMを用いて介入した事例でした。人ー環境ー作業をしっかり評価し、作業の可能化に向けて取り組んだ事例でした。作業療法の介入を明確に解りやすく皆に伝えてくれました。
余談ですが、発表者は5年程前、僕の元職場に実習にきた学生でした。実習最終週、僕と別れるときに嗚咽しながら泣いてくれた学生が、目の前で堂々と発表してくれている。すごく感慨深い時間を過ごさせてもらいました。





簡単にしか説明できませんでしたが、本当に素晴らしい介入ばかり、素晴らしいOTばかりでした。全てが全国学会の口述で話して欲しいくらいの事例でした。


次にADOCのワークショップをしました。


明日からADOCを使えるように!それを目標に皆にペーパー版ADOCを体験してもらいました。





皆さん、真剣に取り組んでいました。そして会場には笑顔が溢れていました。


ADOCって作業に焦点を当てて話すので、クライエントもOTも両方が楽しいんですよね。


そんな感覚も味わってもらえたかと思います。


そして最後に集合写真・・・・・・と写真を載せたいところですが、僕のカメラで撮ってないので写真がありません・・・。




その代わりに集合写真前の写真を載せます。意味があるのかどうかは聞かないでください。


このように、本当に充実した最高の1日でした。今まで継続してきて本当に良かったです。今後も、より良い学術集会とする為、皆で創っていきましょう。


またまた余談ですが、今年もこの会を立ち上げるきっかけを作ってくださった恩師の奥様が来てくださいました。


この学術集会をするたびに想います。先生は亡くなった今も、僕らと共にここにいてくれる。そう感じたのはきっと僕だけではないと思います。


僕にとってこの学術集会は「恩師を感じる」という意味を持つ、大切な大切な作業です。あらためて、そう感じました。
 
 
最後になりましたが、遠い沖縄から駆けつけてくださった琉球OTさん、学会長でありながら抄録集の作成やポスター作成に尽力してくださったU-1先生、遠いマレーシアから応援してくださったT先生、同期生の学会の時から実行委員をしてくれているなっちゃん、まーちゃん、発表者の方々、そしてご参加くださった皆様(途中高速道路で車が故障した為にJAF+レンタカーで来られた方もおられました。まさに根性!)本当に本当にありがとうございました。


皆で日本のOTを背負い、変えていきましょう! 
 
 
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。