平成23年11月6日(日曜日)
Kさんの想いが詰まった尚巴志マラソンに参加しました。
朝6時に職場に集合してから会場に向かいました。
車の中でKさんは、やんちゃだった中学生の時にお世話になった先生に電話したことを話してくれました。先生にマラソンへ参加することを伝えたということでした。
すると先生は「あなたの頑張りを聴いて勇気と元気をもらった。私も来年トリムマラソンに挑戦する!」と話してくれたそうです。
「来年は先生とトリムマラソンに出ないとな」とKさんは笑顔で話してくれました。
会場に着き、ウォーミングアップなどするわけもなくゆっくりと過ごし、ついにスタートの合図が10時5分前にならされました。
少し出遅れたスタートとなりましたが、しっかりとした足取りで歩き始めました。
Kさんを支えるごきげん介護士さん。
夜遅くに集まり、練習も3人で行っていました(うちの介護士さん本当に素敵な人たちばかりなんです)。
そのような3人の文脈が後姿から伝わってきて、僕は3キロの間ずっと感動にひたっていました。
折り返し地点を過ぎて重くなる足、痛くなる腰、反張膝が少しずつ著明になっていきましたが、一向にペースは落ちませんでした。
僕は何回も「大丈夫ですか?きつくないですか?」と問いかけましたが、Kさんは「大丈夫!」と一言返すだけでした。
本当はすごくきつかったと思います。痛かったと思います。でもKさんは歩くことをやめませんでした。
Kさんを支える介護士さんにはKさんの状態がよくわかっていたのだと思います。「Kさん気持ちでいきましょう!」「もちろんきついですよね・・・でもいけますよ!」と共に頑張ったからこそ言える、そんな言葉を絶妙なタイミングでかけたこともKさんの力になったのだと思います。
Kさんは一言も弱音を吐くことなく3km走りきりました。
制限時間はだいぶ過ぎてしまいましたが、最後まで走りきりました。
僕は感動して言葉が出ませんでした。
Kさんにゴールした感想を尋ねると、
「正直、制限時間内に入れなかった悔しさが一番。」
「今まで過去の栄光だけを見ていたが、今回現実が見れた。これからは前を見て這い上がる番だ!」
「次はもっと練習をして制限時間内に入れるようにしたい。」と話されました。
そんなKさんの目は赤く潤んでいました。悔しさだけではない涙だと思います。
そしてこの後少し休憩していると、沖縄タイムスの記者にインタビューを受けました。
そのインタビューの中でKさんは
「中学時代やんちゃな自分を立ち直らせてくれた先生にやる気・元気・勇気という言葉をもらった。病気(脳梗塞)になった時もこの先生の言葉が支えてくれた。」
「そんな先生や友人に恩返しがしたい。」
「やればできると伝えたい」
と話していました。
きっと先生、野球仲間等の友人に、元気になったところを見せたいという想いと共に、「片麻痺になった自分」という障がいありきの存在ではなく「自分は片麻痺という障がいを持っている」というように、Kさんという存在は変わっていないということを、マラソンに参加するという形で伝えたかったのだと思います。
また、Kさんは同じ障がいを抱えた方たちへのエールにもなると考えていました。
普段から冗談ばかりで多くを語らず、真剣な言葉ではめったに伝えてくれない不器用なKさんらしい恩返しの表現方法でした。
そんなKさんに僕たちは皆、「やる気・元気・勇気」をもらいました。
きっと多くの方にもKさんのエールが伝わったと思います。
ブラボー!
返信削除再び感動しました。
「やる気・元気・勇気」
Kさんらしい素敵なことばですよね。
トリムマラソンも是非、出場しましょう!
感動をありがとうございます!
返信削除勇気と元気をもらい やる気も出てきました。