僕が意識して伝えたいことはトップダウンの評価のことと、OBPの介入のこと。
僕にはまだまだ上手く伝える技術はないが、2人は一生懸命感じ取り、受け取ってくれている。
今週で実習が終わる学生Nさんの介入。
担当のKさん、母親想いで優しい性格の方である。
発症以前は仕事が終わると友人と居酒屋に飲みに行ったり、休日には趣味のガンダムのプラモデル作りを行っていたそうだ。
40代前半で発症されて、それ以後は母親の介護負担の軽減の為、母親の期待に応える為にADLの自立と歩行の安定を目標に機能訓練に取り組んできた。発症されて2年くらいである。
最近ではADLが概ね自立し、歩行も大分安定したので、母親も趣味のグランドゴルフに出かけられるようになっている。Kさんの現在の生活はというと、仕事・余暇はなく1日のほとんどをぼーっとテレビを見て過ごしている状態であった。
作業バランスの視点で見ると、発症前後のKさんはADL・仕事・余暇・休息のバランスが崩れ、ADLと休息に偏っていた。
そんな中、Nさんの介入が始まった。
まずはADOCで作業ニードの確認。すると屋外歩行、友人との交流、趣味活動の再開が出てきた。
Kさんの作業バランスを考えた上で余暇活動を再獲得することを目的にガンダムのプラモデル作りの介入を行った。もちろん屋内・外歩行練習も行いながら。
これまで受動的だったKさんがプラモデルを行うようになってから、主体的に動き始めた。
わからないところはNさんに聞く姿も見られ始めた。Kさんがエンパワメントされた結果だと思う。
そんなKさんの笑顔とガンダム
続きまして2人目の実習生Tさん
ADLは自立・歩行もT字杖にて自立されている。
Mさんは発症以前、編み物を趣味としていたが、発症後に片手で試みたところ出来なかった経験から現在は行われていなかった。
ここからTさんの介入が始まった。
学生TさんがCOPMをとり、Mさんと共に決めた優先順位の1位がもう一度編み物をすることだった。
Mさんの趣味の再獲得を目指し、片手で編み物をする方法をTさんは一生懸命考え、そして調べた。その結果、写真にある片手で編み物が出来る自助具を作成した。
Mさんは「涙が出るくらい嬉しい」と話されていた。
そんな姿を見た僕も胸いっぱいになった。
本当に2人とも素晴らしい作業療法の介入をしてくれている。
作業はひとを幸せにし、健康にする。
2人はそれを実感し、しっかり受け取ってくれていると思う。
そんなひとりひとりの「作業」がごきげんにもっとたくさん溢れるように頑張っていこう。
2人の頑張りに感謝。
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